構造計算とは?

 建物の構造計算とは、建物が様々な荷重によってどのような力を受けて、どのように変形するのかを計算することです。建物が受ける荷重には、鉛直荷重として建物の自重固定荷重)や積載荷重(人や家具などの重さ)、積雪荷重があり、水平荷重には地震力風圧力などがあります。構造計算を行うことで、このような荷重に対して耐えられる建物を建てることができます。

 とくに地震発生時に建物全体を揺らすことになる地震力に対して、必要な壁の量(必要壁量)については建物ごとの重さなどを考慮して計算することが必要であると考えます。

戸建て住宅の構造計算の実態

 木造戸建て住宅における構造安全性の計算には、
仕様規定(簡易構造計算を行うもの)
性能表示規定(仕様規定と許容応力度計算の中間)
許容応力度計算(詳細な構造計算を行うもの)
の3種類があることが現状です。

 当然、建物の安全性や地震などに外力に耐える構造安全性を考えると、最も詳細な許容応力度計算(狭い意味で「構造計算」と呼ばれることもある)を行うことが望ましいといえます。しかし、戸建て住宅(一般的な2階建てまでの木造住宅)では、建築確認申請の際に、構造安全性に関する地震や風に対する構造計算書の提出・チェックを行わなくてよい「四号建築物確認の特例四号特例)」という制度ががあります。これは、構造安全性については建築確認審査壁量などがチェックされておらず、設計者に任されていることになります。

 現実には、設計者に任されているといっても、詳細な許容応力度計算が行われているケースはまだまだ少ないことが実態です。建てる側も 許容応力度計算を知らないケーズや、戸建て住宅には過剰だ、コストがかかる、といわれることもあることが現状です。しかし、実際に地震があった時に被害を受けるのはその家に住む人です。熊本地震など大きな地震があってもなお、地震時に大きな被害を受けることも想定される、詳細な計算のされていない安全性のわからない住宅が多く存在することが現状です。

地震への備えは許容応力度計算による構造計算

 2016年に発生した熊本地震では、木造住宅に被害の大きかった益城町悉皆調査では、耐震等級3の建物に中破以上の被害がなかったとされています。耐震等級3建築基準法レベルの1.5倍地震力に耐えられる性能・強度を持っています。しかし、同じ耐震等級3でも、性能表示規定によるものと、許容応力度計算によるものがあり、後者の方が構造安全性の信頼性が高いといわれています。

 地震があっても建てた住宅が倒壊、損壊せずに安全に住み続けるには、①微動探査でその土地ごとの地盤の特性(通常の地盤調査では計測されていない地震時の揺れやすさ周期特性)を知って、②建物ごとの詳細な計算を行う許容応力度計算によって耐震等級3の住宅を建て、③小さな揺れから効いて揺れを軽減し、建物の劣化・損傷も防ぐ制振オイルダンパーを設置することをお勧めします。

 Be-Doでは、構造計算許容応力度計算)を提供、もしくは計算ができる企業をご紹介いたします。地震に強い住宅を建てたいお施主様、地域で地震に強い工務店をご提供したいとお考えの工務店様、設計者様は、是非一度当社にご相談ください。