耐震性能評価とは?

 住宅においては耐震性能を高める手立てとして主に構造計算許容応力度計算)が用いられ、設計通りに施工されていることを確認することが重要です。

 これまでは、設計通りの施工が確実になされているかの確認は施工途中に目視等で行っておりましたが、常時微動探査では、建物に調査機(微動計)を設置し、建物内に伝わってくる常時微動(人が感じないほどの僅かな揺れ)を確認します。

 それによって建物の固有周期重心剛心が分かり、耐震性能を評価することができます。その他に、地盤の卓越周期固有周期)も測ることができるため、建物の共振リスクについても想定することができます。

レポート一部抜粋
レポート一部抜粋

調査方法

家屋における微動探査は以下2回の計測で約1時間で完了します。
※当サービスは原則、木造戸建て住宅2階建て、3階建てが対象となります。

周期の計測:2階建て住宅の場合、玄関先に1台、1階、2階のおおよそ中央部に各1台配置し計測を行います(3階建てや、小屋裏がある住宅の場合にはそのおおよそ中央部にもう1台配置します)。

重心剛心計測:2階のおおよそ四隅に1台ずつ、合計4台配置し計測を行います(3階建て住宅の場合は3階の四隅に1台ずつ配置します)。

周期計測

重心剛心計測

『新築』『既存住宅』における当サービス導入時期

 新築においては、その設計通りの耐震性能が確保された設計になっているかの「確認」という意味合いで行います。タイミングは施工中に行い、計画通りの耐震性能であることを確認し、施工後から引き渡し前までにもう一度調査を行うことが望ましいです。

新築における微動探査「家屋計測」のフロー

 既存住宅においては、現状の耐震性能について調査で確認します。耐震補強設計及び施工後、引き渡しまでの間に調査を行うことで補強後の耐震化を確認することができます。

既存住宅における微動探査「家屋計測」のフロー

対策

 微動探査を行うことで住宅の耐震性能の高低の確認ができます。地震による損傷、倒壊の被害を少なくするには「対策」が必要になります。

 新築時には構造計算を行い耐震性能の確保を行うと共に制振装置を取り付けていただくことも有効な手立てとなります。既存住宅においても耐震補強設計・施工や制振装置の取り付けが有効な手立てとなります。

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 構造計算とは、建物に掛かる力とその安全性を確認する為の計算ですが、現状では戸建住宅の多くが構造計算をされないまま建てられています。2016年4月に起こった熊本地震の際に、家屋の損傷、倒壊被害が最も顕著であった益城町において、構造計算を行っている住宅はほぼ無被害なのであるのに対し、それ以外の住宅には多くの損傷、倒壊が発生しました。上記の結果を受けても構造計算を行うことが重要であることが分かります。

 耐震補強設計施工とは、既存住宅においてその耐震性能を向上させるために、耐力部材の設置設計を行い、設計通りの施工を行うことを指します。一般的には住宅の耐震診断を行った後に補強設計、施工という流れになります。

 制振装置とは地震が発生した際に建物にかかる地震力を軽減することを目的に設置される装置のことです。設置をすることで地震時の変位を抑え、耐力部材の性能を長持ちさせる効果が期待できます。

 当社では、家屋の耐震性能計測(実施は地域により各地の当社登録企業より実施)および、構造計算、耐震補強設計、制振装置の推奨も行っておりますので、まずはお問い合わせください。