微動計「Be-Do_001」とは?
微動計(微動探査機)は、地盤や家屋の常時微動探査に用いる専用の計測機材です。微動計とは、ゆれを観測する地震計の一種で、高精度の速度計(微動計の機種によっては加速度計)が内蔵されており、人が感じないほどのわずかな揺れ(常時微動)を観測する機材です。微動計「Be-Do_001」は、食パンより少し大きいほどの小型軽量化した機材に3つの速度計が内蔵されており、上下動、南北方向、東西方向の3方向で人が感じないほどの微動を観測します。常時微動の観測、時刻校正に用いるGPS、観測したデータの記録、データの通信を一体化したユニットになっています。
微動計「Be-Do_001」 は、国内を代表する地震計等の計測機器メーカーである応用地震計測株式会社(東証一部上場、応用地質株式会社の100%子会社)製です。
微動計 「Be-Do_001」 の操作はボタン1つで非常に簡単、複雑な操作は必要ありません。電源を入れると自動的にGPSを補足し、微動計を地面(住宅を計測するときは床)に脚の長さを調節して水平に、地面(屋内の観測の際は屋内の床)に所定の配置で設置するだけでデータの観測が始まります。地盤の揺れやすさ(表層地盤増幅率)、揺れ方(周期特性)、S波速度構造のほか、住宅の耐震性、交通振動の調査などに用いることができます。
微動計の使い方(観測方法)
地盤の揺れやすさを観測する際は、1宅地あたり概ね1時間ほどで観測が可能です。2種類の観測法で、それぞれ正味16分間(念のため18分ほど)観測します。 微動計 「Be-Do_001」 は複雑な操作がないことから専門知識がない方でも簡単に観測が可能です。
①極小アレイ探査法
極小アレイ探査法では、微動計を中心に1台、60㎝半径の周囲に3台をして観測します。微動計を北向き、概ね120㎝四方程度の面積があれば観測可能で、ガレージや庭先、玄関の前などで観測できます。地表から約15~30mまでの深さの観測を行います。極小アレイ探査の配置用の治具がセットになっていますので、配置も容易です。
②不規則アレイ探査法
不規則アレイ探査法とは、微動計を3台使い、任意の三角形に5m〜15mほどの間隔で配置して観測するものです。正三角形である必要はなく、家屋をはさんで観測することもできます。地盤状況や配置する距離(間隔が長いほど深くまで観測できる)にもよりますが、地表から約50~150m程度まで観測できます。
常時微動探査では30m分の地盤データから揺れやすさを計算することから、極小アレイ探査法に加えて不規則アレイ探査法でやや深い部分のデータを取り、これらを合算しています。現地では、観測開始後、 18分ほどの間に観測中の写真、位置の記録、天候・地面の状況、不規則アレイ探査法の場合は微動計の感覚の距離の計測を行います。これらの記録は、事前に設定したパソコンから専用アプリで記録するので簡単、18分の観測時間のうち数分程度で完了します。
タイヤ付きの専用収納ケース付きで、場所を取らずに収納し、収納したままの充電も可能です。専用ケース付きで、ケースのまま軽自動車にも載り、飛行機(預け入れ)や電車などでの持ち運びも可能です。
観測したデータは、観測後に微動計 「Be-Do_001」のボタンを長押しするだけで通信モードが起動、Wi-fiを経由して専用アプリで微動計からパソコンにデータを移行することができます。パソコンから、観測した微動データのセットと、位置情報、写真を専用アプリを通して国立研究開発法人防災科学技術研究所 (株式会社KULOCOと防災科学技術研究所の契約によります)に送信して解析されますので、データの改ざんなどは発生しません。
微動計「Be-Do_001」 諸元一覧
主要仕様
(1) AD変換器: 24 ビット
(2) サンプリング: 250/500Hz
(3) データ保存: 内部メモリ 8GB
(4) 動作時間: 連続観測で約24時間
(5) 充電電源: 100V AC 50/60 Hz
(6) 動作温度: -20~55℃
(7) 防塵・防水性能:IP54相当以上
(8) 寸法 180 x 180 x 130mm
(9) 重量 約 2.5kg
(10) 製造元 応用地震計測株式会社
※微動計の販売は地盤、住宅の観測に用いる4台セット、専用ケースと配置用の治具のセットとなります。
※微動探査の実施に必要なノートPC、専用のwi-fiルータ、風よけのバケツ等は付属しておりません。